Japan Dolphin Day 2005

 

ジャパンドルフィンデー

イルカ保護活動の高まり:
イルカの追い込み猟廃止のための国際的な動き

2005年10月8日、世界各地の現地時間正午
Japan Dolphin Day(「日本にイルカ殺し中止を要請する日」)

世界28カ国の44都市において非暴力、平和的、合法的なデモが行なわれ、 67の動物・環境・自然保護団体が参加しました。

 

「世界イルカ解放週間」

本会では、1998年から「世界イルカ解放週間」と名づけられた活動に毎年参加しています。今年で8年目を迎えますが、今年は例年と異なって、3ケ月時期をずらして、メディアへの働きかけをしました。


参考資料

毎年、おこなわれている『世界イルカ解放週間』をご存じですか?

『7月4日~10日・世界イルカ解放週間』とは:
世界的なNGO組織が参加するCFN(鯨類解放ネットワーク:Cetacean Freedom Network)が1997年の年次会議で採択して定めた日です。人間の都合で狭い水槽に閉じ込められ、苛酷な生活を余儀なくされている海洋動物の福祉と解放を願って、毎年7月4日、または、その前後の週に、世界各地で鯨類解放のための行事が行なわれます。この発想は世界で初めて水族館でのイルカの飼育展示を廃止したイギリスで1992年に生まれ、ヨーロッパに広まったものです。

CFN(鯨類解放ネットワーク)とは:
CFNは、『見世物にされるために捕らえられ、人間の利益追求のために搾取され、殺されていく鯨類を解放しよう』という共通理念を掲げて1994年にアメリカのフロリダで発足しました。発足以来、年々その規模を広げ、現在、世界各地のメンバーが、情報交換と協力を通して、野生のイルカ、シャチ(オルカ)など鯨類の捕獲や展示飼育の中止に向けて、さまざまな活動を行なっています。特に『世界イルカ解放週間』中には、水族館などの人工的な施設で苦しむイルカなどの現状を変えるために、さまざまな行事が世界各国で行なわれます。

『イルカ解放』にむけての世界の動き:
近年、動物の生態が明らかにされるにしたがって、自然の中で暮らす野生動物を群れから引き離して囲い、展示することが、その動物にひどい苦痛を与え、個体差はあるものの一般的には捕らわれの動物の寿命を極端に縮めていることが分かってきました。特に環境問題のシンボル的存在となった鯨類が受ける展示下でのストレスは、想像を絶するものであることが、多くの学者によって指摘されています。このため、野生の鯨類の捕獲を中止し、捕獲展示しているイルカなどの小型鯨類で、野生に戻せる可能性のあるものについては、リハビリを行なって、自然の生態環境に戻そうという活動が、世界的に目立つようになりました。

『世界イルカ解放週間』は総ての野生動物解放への願いがこめられた活動日:
『世界イルカ解放の日』と、表題はイルカとなっていますが、これは、イルカを野生動物の代表として表現したもので、実際にはオルカ(シャチ)、イルカなどの鯨類だけでなく、さらにオットセイやアザラシ、ラッコなど海洋哺乳類すべてを含めて考えることも可能です。いいかえれば、人間の都合で苛酷な生活を余儀なくされている海洋動物の解放を願って何らかの活動をする日といえます。この理念はロンドン動物園の閉鎖騒ぎ以来、近年世界的に大きな高まりを見せつつある『動物園見直し』運動とも呼応し、また、『動物の権利』概念とも深いかかわりをもつものです。つまり、『世界イルカ解放週間』は、「金儲け、または経済効果をねらうために、人間に搾取され、苛酷な生活を強いられたうえに、使い捨てにされている多くの野生生物を救う機運を世界的に盛り上げることを目指して」、各国で各団体または各個人が『行動する日』といえます。

世界の動き:
イギリスには鯨類を飼育する水族館は既になく、北米では70館以上の水族館がイルカなどの鯨類を飼育展示しないと宣言し、北米とオーストラリアには、鯨類の飼育や展示を禁止した州もあります。さらにフィンランド、インド、キプロスなどの国々では水族館へのイルカの輸入を禁止し、ヨーロッパ各国では、イルカ類の捕獲に対して政府が許可を出さない例が続いています。また、現在、ルフトハンザ航空をはじめ、世界の10社に及ぶ航空会社が水族館に向けてのイルカ類の輸送を行なわないと発表しています。

いっぽう、日本のイルカ追い込み猟(漁)の廃止を願って活動を続ける日仏米の動物・環境保護団体の呼びかけで、来る10月8日に世界各地で、イルカの解放を願う動物・環境・自然保護団体が、市民と共に日本のイルカ猟とイルカの捕獲に反対する平和的な「国際抗議デモ」集会を開きます。この例によっても、野生動物への人間の搾取を止め、野生動物には野生で生きる権利を与えようという機運が世界的に高まっていることが分かります。 

こうした世界の動きを考慮に入れるとき、水族館は、従来の野生動物を捕獲して展示するという経営体制を大幅に見直す時期にきているといえます。

近年、水族館が集客率を上げるための対策として建物の改装や事業拡張を行なうことが目立ちますが、その成果は一時的なものでしかなく、目新しさが消えると同時に水族館の集客力は年々低下しています。いっぽう、これに対して、野生動物の捕獲展示に疑問をもつ人々は、全体的に見ればまだ少数派とはいえ、年々増加しています。特にホエールウォッチング、イルカウォッチングなどが定着するにつれて、野生の鯨類と囲われた展示鯨類やその他の水棲動物の違いの大きさに気づいた人々が、現状の水族館に異議を唱え始めています。

『世界イルカ解放週間』への参加
1年の内、わずか数日だけでも、イルカをはじめ、すべての『捕らわれの野生動物たち』の苛酷な現状に目を向け、わたしたち人間と野生動物との付き合い方に思いを馳せることは、大事なことだと考えます。世界の流れに呼応して自主的にできることを実行することで、事態は少しずつ変わっていくはずです。現在、日本では、シャチなど鯨類の解放を願って結成されたNGOネットワーク「フリーオルカ」及び非営利の環境保護団体、エルザ自然保護の会が、『世界イルカ解放週間』が実施された1998年から継続して、この活動に参加しています。

『世界イルカ解放週間』への参加には、資格や条件などの制限は何もありません。各自がそれぞれ自分の責任で行なえる自由な活動です。使い捨てにされる野生生物を救うために、この活動に賛同し、皆様が独自の活動を開始してくださることを願っています。

『世界イルカ解放週間7月4日~10日』の日本の窓口:
エルザ自然保護の会(Elsa Nature Conservancy)

Fax:

この活動に賛同して、何らかの活動を始められた場合には、ぜひその旨をお知らせ下さい。本会事務局からこの活動を提唱したイギリスの保護団体へ活動報告を発信します。この報告は、毎年、インターネットで各国の参加団体に送られ、ホームページなどで紹介されています。

2005年情報提供(プレスリリース)

 

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